主要設備・実験装置
強磁場発生用電源
コンデンサバンク
本研究室の心臓部。エネルギーはここに一度蓄積された後、大電流として短時間にパルスマグネットへ供給される。発生する磁場とマグネットの特性に合わせた複数のコンデンサバンクを所有。
フライホイール付き直流発電機
直流発電機としては世界最高出力(ギネスレコード保有)を誇り、次世代の強磁場を担う超ロングパルス用電源。直流発電機としての特性を生かして持続時間最大数秒にわたる準定常的な磁場の発生が可能。この電源により生み出される準定常磁場と既存のパルス磁場を組み合わせて、100 T以上の磁場発生を目指す。現在、パルス磁場中での比熱測定、準定常時場下での電気抵抗の温度変化などの新しい測定手法の開発を行っている。
物性測定装置
パルス強磁場磁化測定装置
ピックアップ法(誘導法)によりパルス磁場中で磁化の変化を測定する装置。磁化の変化に対応する磁化の時間微分をシグナルとして測定することで、磁場誘起相転移などを反映した微少な変化を高感度に測定することが可能。
パルス強磁場磁気抵抗・ホール抵抗測定装置
時間変化するパルス強磁場とパルス電流発生装置を同期させて、強磁場中で磁気抵抗およびホール効果を測定する装置。測定法は直流4端子法をベースとし、磁気抵抗の場合電流の電流反転、ホール抵抗の場合はプラス磁場反転を行って、それらの差分からデータを得ることができる。
パルス強磁場磁歪測定装置
歪みゲージを用いて強磁場中での磁性の変化を構造変化という観点から測定する装置。
パルス強磁場分極測定装置
磁場が高速に掃引されるというパスル磁場の特徴を生かした分極測定装置。磁性と強誘電性が密接に絡んだマルチフェロイクス系の研究に力を発揮。
パルス強磁場用希釈冷凍機
パルスマグネットに挿入して60 Tまでの強磁場中で100 mK以下まで温度を下げることの出来る希釈冷凍機。パルス強磁場という特殊環境に耐えるために、繊維強化プラスチックFRPを用いて作製されている。この装置を用いて上記の複合極限環境で磁化、磁気抵抗の測定が可能。
高感度磁化測定装置(MPMS Quantum Design 社製)
超伝導量子磁束干渉計を用いて高精度に磁化を測定する装置。 ・最大磁場:7 T ・温度範囲:1.8 K < T < 400 K ・測定モード:DC & RSO
多目的物性測定装置(PPMS Quantum Design 社製)
多種な物理量を広域な磁場・温度環境で自動測定する装置。 ・最大磁場:14 T ・温度範囲:0.4 K < T < 400 K ・DC電気抵抗測定 ・比熱測定 ・DC/AC磁化測定
マグネット開発設備
大型巻線機
高強度な銅銀平角線を螺旋状のコイルに整形するための機械。サーボモータ制御により巻き取り速度とピッチが連続可変で調整可能で、様々な形状のワイヤーへの対応が可能となっている。補強となるガラス繊維やザイロンなどの巻き取り作業もこの巻き線機を使って行う。
油圧プレス
最も重要な補強となるマルエージング綱製リングとコイルを冷やしばめにより一体化させるために使用する。
圧力含浸容器
ガラス繊維により補強されたマグネットにはそのあらゆる隙間を真空引きされた後に、この圧力含浸容器内でエポキシ樹脂が静水圧下のもと注入される。
電気炉
マルエージング綱は補強に最適な形状に機械加工された後に、この電気炉で時効処理(析出硬化熱処理)することにより機械的強度を得ることが出来る。また溶体化処理(固溶化熱処理)を行うことで再び加工可能な状態まで硬度を下げることも可能。
工作機器
旋盤
・TAKISAWA TAL-460 ・TAKISAWA TSL-550
フライス盤
・MAKINO KSJ1P-55
ボール盤
・ENSHU ESD-460DX ・ENSHU ESD-100A
高速精密切断機
・HEIWA TECHNICA 31-W ・HEIWA TECHNICA BD。