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2008/04/02(水)

新計画スタート

始まってしまえばいきなりな感じではあるが新計画に向けた動きが急である。

①新しく組み立てるコンデンサー電源について少しずつ考え方が決まりだした。もらったバンクを欲張って全部入れるのでは無く、一部を既設電源と組み合わせるのに使う。これで、エネルギー不足も解消され、サブメガでも70Tまでの実験ができるようになる。

②大口径80Tを再び作り出した。これは前回のやり直しだが、100Tマグネットのベースとなるので更に未来が続いている。

③全部銅線で作るマグネットの作り直し。これも作り直しであるが、まずここをクリアしていかないとフライホイール用のマグネットに近づけない。

今日も勝ってハッピーなのだが、何やら気持ちに引っかかりがある。なぜジェフを使わんのや？久保田はあんだけ使っときながらジェフが出ない。オリンピックの間にクローザーを任せるんやから、もっと使ってないかんはずやのにである。考えられる理由は、開幕戦に投げてどこかを痛めた、あるいはステロイド関連で悪い知らせが届いたくらいか。なんでやろう？と思ってたら、息子が電話で訊いてきた。「なあ、なんでウィリアムス出てへんの？」「おー、ええとこに気がついたな。ニュースには出てへんけど、オレが思うにはやな・・・」

息子よ、その洞察力を勉強に発揮したら良かったのになあ。

2008/04/01(火)

新年度スタート

朝、いつものガススタンドを見たがまだ安くなってない。柏では安くならんのか？

新年度と言う事で、新しい人もぼちぼち来ている。でも、まだ来てない人や、就活に忙しい人や、体調を崩してる人もいて、なんだかさびしい感じ。

昼のサッカーも今日は少ない。多すぎるより少ない方が楽しいが。それにしても今日の風の強さは半端や無い。真冬でもこんなに強い日があったかどうか。

新しく、古いバンクをどうやって組むかを考え中。信念はあるのだが、高くつくからなあ。

夜見たらガソリンが安くなっていた。お客がいっぱいやった。あせらんでも一ヶ月間は安いんとちゃうんか？

2008/03/31(月)

年度末ですな

最近は年度の変わり目での移動が少なくなり「えらいこっちゃ」と慌てる事も少なくなったが、今年は違う。えらいこっちゃな年である。どうなるんでしょう明日から。

年度末と言えば、安くなるんでしょうかガソリンは。さっき前を通ったら空いてたからなあ。みんな期待しているみたいやな。

先週の時差ボケはひどかった。睡眠時間はだいたい戻ったけど、なんか行動がピンと来ない。普段、普通にやってる事が微妙に出来ない感じ。

先週末の阪神戦は楽しかった。平野がええな。見ててわくわくする野球は久しぶりや。これでまだ関本、藤本、葛城、桜井、桧山が残ってて、もうすぐ林も帰ってくるんやから楽しみも多い。

2008/03/27(木)

時差ボケ

月曜日は普通に戻ったと思っていたのだが、火曜日に来た。体は重くて起きれない。この時から悪循環が始まった。火曜日の晩はまったく眠れなくなり、朝の６時過ぎになってちょっと眠り９時過ぎに起きたのだが昼間は別に眠くない。水曜日の晩も眠れないままであったが、３時過ぎに頑張って眠り７時に目が覚めた。

安藤さんとのサッカーもあとちょっと。今日は別れを惜しみながらちょっと長めにやった。
「安藤さん、いつまで来れるの？」
「明日まで」
「ほな引っ越しは？」
「今日やってる」
「今日！？」
安藤家に幸多かれと祈らん。

2008/03/24(月)

とりあえず学会

奇跡的に普通に目が覚めたので学会に出かけた。時差ボケはいきなり睡魔となって襲ってくるから安心は出来ひんのやけどその時はその時。鶴橋で近鉄に乗り換えると関係者でいっぱいや。ちょっと気持ち悪い。長瀬から近大への道がいかにも学生街っぽくてええ感じ。昼飯を食べるのにも困らへんやろう、これやったら。

午前のセッションが終わって、昨日は昼飯どうやった？と鳴海、松尾に訊くと、生協はいっぱいで外も並んでいたという。でもどうせやったら外の方が面白そうやしと誘い学生街へ出た。すぐのお店がちょうど３人座れそうだったので入り、オレは「ポークカロリー」を頼んだ。ポークは分かるがカロリーって何で付いてんねん？松尾君のはもっと分からん、「ガチャ鉄板焼き」や。ガチャって何やねん？出てきたものはまあ普通。オレのが豚肉と野菜を炒めたやつで松尾君のは野菜炒めにちょっと肉らしい欠片が混ぜてある感じ。量は死ぬ程ある。さすが学生街。さすが近大。松尾君のオーダーが忘れられてた感はあったが、それはしゃあない。オレと一緒に食べもん屋に入ったら必ず何かが起きる法則があるんで、珍しいことではない。酷い時には、これオーダー間違えてるでとちゃんと持ってきてもらった料理がまた間違えてるみたいな事もあったしな。

店を出て看板を見て納得。店の名前がキッチンカロリーやったんやな。

2008/03/22(土)

義理と人情の米国旅行その７

というわけでようやく帰国の日である。今朝の便はなんと6:15！アルバカーキからヒューストン行きである。この前のタラハッシーみたいな事があってはいかんので５時前にはホテルを出た。もしタラハッシーでのチェックが偶然の巡り合わせであったのなら今日は大丈夫のはずなんやけど・・・。緊張のチェックインであっさり答えは出た。チケットにはSSSSの文字がしっかり印刷されている。アウトや。タラハッシーと同様に、別ルートを歩かされ、ボディチェックを受け、金属探知器とは別の箱に入れられ、椅子で待たされ、カバンの中身を引っ掻き回され、ようやくThank you Sir!と解放される。一度経験済みなのでもう驚きはしないが、理由が分からんだけにやはりへこむ。考えられるのは、
　①人相、風体が誰かに似ていた？
　②Carry-on baggage だけで旅をしていたから？
　③タラハッシーのホテルでNo Serviceにしていたから？
　④ロスアラモスに登録したから？
　⑤誰かが悪意で密告したから？
くらいかなあ。なんか犯人扱いされてるみたいで気分は良くないし、こいつが怪しいという情報が航空会社のデータに入ってるという事やろうから、いわば社会全体が「あいつ怪しい」と言ってる様にも考えられ、恐ろしい。なんとなく「ゴールデンスランバー」の世界や。最悪、そのまま別室に連れて行かれて帰って来られないというのもありやなあとこの時は想像したしな。

とりあえず最悪の事態は避けられたと喜びながら搭乗口に急いだ。なぜならオレのSSSSの紙には座席番号が書かれていないからである。タラハッシーでも搭乗口でボーディングパスをもらったので要領は分かっている。搭乗口のお姉さんに紙を見せたら、「ヒューストンに行くだけか？」と訊いてくる。「ヒューストンから成田に行くで」と答えたらちょっと慌てだした。いったい何やろう？と思っていると「この便はオーバーブッキングしているのです。分かりますか？」と説明しだした。オレが余程アッチャーな顔をしたのだろう、「でも大丈夫です。国際線の乗り継ぎを優先させますから20分くらいお待ち下さい。お呼びしますから」と慰めるような口ぶりで言う。

SSSSの次はオーバーブッキングかとガックシ肩を落として待っていたがキャンセルが出る雰囲気は無い。そもそもこいつはSSSSやから乗られへんでと最初からカウントされて無かったんとちゃうんか。そう言えば、国際線の方も真ん中の席やしな。なんか嫌になってきた。こいつは無理と航空会社も判断したのか「次の便に替わってくれたら250ドル差し上げます」とアナウンスし出した。誰かが申し出てくれたのかは分からんかったが、結局ほとんどの人が搭乗してしまった後にオレもチケットを渡してもらえた。あーこれで帰れる、と機内に入ったあともオレみたいな人がいたのか知らんが、今度は「400ドル差し上げますからお願い」みたいな機内放送をやり出した。何やら競りみたいな感じで、よっしゃ！と手を挙げた人がいて最後の一人も無事飛べたみたいやった。

あとはヒューストンでの乗り換えもスムーズで、真ん中やった席も両隣がツアーのお仲間やったんで「なんやったら替わりましょか？」と恩を売りながら通路側の席をゲットしたし、エアコンも行きしの便程は寒くないし、スチュアーデスさんもおばあさんや無いし怒ってないし、映画はオンデマンドで見たい映画を200本くらいの中から選べるし、「博士の愛した数式」は結構面白かったしで苦痛や無かった。

成田に着いたのが2:40くらいで3:00発の羽田行きのバスに飛び乗り、バスの中で4:30発の伊丹行きを予約して無事帰阪したのであった。帰ってきたら日曜の晩になっていた。明日、起きれたら学会に行こう。

2008/03/21(金)

義理と人情の米国旅行その６

今日はロスアラモスでの講演の日である。というても、タラハッシーでしたのと同じ話しかしないので準備は特にない。それまでに実験室を見せてもらうことにしたが、まずは研究部門のリーダーであるハイメさんの部屋で四方山話をした。この人はアルゼンチンの出身らしく、英語が分かりやすい。最後はいかに良いポスドクを連れてくるか？とかユーザーコミュニティが重要とか共感できる話になり、いずこも同じやなあと納得した。その後、実験室に連れて行ってもらい、ちょっとの間実験の様子を見ていたのだが、この時が一番リラックス出来た。なんやろうこの感覚は？やっぱりオレは実験屋という事なんやろうか？もうちょっと一緒に見てたいと思ったが、そこからはチャックに連れられて電源室の方に回った。

訪問の目的のひとつが100Tおよびロングパルス実験サイトの見学であったので、ここからが本番。現場を見た感想は、こんなんでええのん？という感じであった。もとは高エネルギー関係の実験室であったという無茶苦茶広い電源室の一画に作っているので、爆発が起きても全体で吸収できる気はするが、マグネット自体は壁にくぼみをつけて出来た狭いスペースに設置されている感じでしかない。だから基本的に三方はぶ厚いコンクリートに囲まれているが一方はオープンな構造になっている。しかも前の爆発で壁がずれている。逆に言うとその程度で大丈夫なんやろうけど。これなら物性研の方がしっかり作っていると思ったが、逆にしっかり作りすぎていて不安かも知れん。それで、その部屋の残りの大部分は電源室であり、フライホイール発電機からの電流を制御するサイリスタ関係が半分とコンデンサー電源が半分という使い方であった。面積が広いというのは素晴らしいことで、コンデンサーを横に並べて電源を作っていて、専属のエンジニアが設計から組立までを行える様になっている。うらやましいなあ。

次がフライホイール発電機の建物である。ここもでかい。ただ、発電機自体は想像していた程大きくはなかった。自分の発電機を見て慣れているせいもあるやろうが、意外と小さく感じられた。まあしかしここは工場みたいな雰囲気でずっといたい気分はしない場所である。この後、巻き線機やシングルターン！などを見て歩き、時間が来たので講演を行い、何人かでランチに出かけた。

気をつかってくれたのかランチは「ORIGAMI」という日本食レストランであった。タラハッシーのSASHIMIの経験があったので期待はせずにNIGIRIを頼んだ。出てきたものを見るとちゃんとにぎりになっていたし、味もまあまあ、酢飯がきつめではあったが期待以上であった。ただ、ニューメキシコには海が無いので夏場は新鮮な魚が食べられないらしく、魚を売っているマーケットに行くと変なにおいがするそうである。それから味噌汁がついていたのは嬉しかったが普通にサラダもついていたのは変やった。

昼食後は電源全体を面倒見ているというおじさんに設計の考え方を訊いてみた。こちらもほぼ共感できる話であったのだが、大爆発を回避する方法を考えているという話は面白かった。その次に、MielkeさんとTozerさんの二人と話が出来たのだが、その内容からするとかなりシングルターンで頑張っているみたいであった。夏には三浦先生が行って指導をするみたいな事も言ってたし。Mielkeさんとは彼が大学院生の時からの知り合いなのでこうやって同じ分野で活躍しているのを見るとなんとなく嬉しいものである。Tozerさんのところには上床研の狩野さんがポスドクで行くみたいやし、結構世間が狭い。

そうこうするうちに移動の時間が来た。明朝の便が早いので今日の内にアルバカーキへ移動するのである。どうやら80ドルで送ってくれる車があるらしいのでそれを頼んでもらった。やって来たのは普通のワンボックス。チャックにお別れと礼を言って乗り込んだ。タクシーとは違い助手席に乗せられたので、黙っているとなんか気まずい。それを察してか、走り出してすぐに運転手のマイケルがいろいろとしゃべってくれた。マイケルはブラジル人だったので当然サッカーが話題の中心である。彼はジーコを尊敬しており、ジーコネタが尽きなかった。それでも一時間も話すと話題もなくなりなんとなく眠たい空気が充満してきた。オレは寝てもかまわんけどマイケルまで寝られては困る。かなりとばしているし。どうしたものかと思っている内にアルバカーキの文字が見えてきた。無事、ホテルに到着。すぐに着替えてベッドに入った。明日の大移動に備えて。

2008/03/20(木)

義理と人情の米国旅行その５

ようやくこの旅も折り返しである。残り半分と思えば元気も出る。とりあえず今日は大移動の一日である。タラハッシーとロスアラモスの間は約3000kmである。成田から3000kmというと余裕で他の国である。だから、この二つの研究所は異なる国にあるのだと考えた方がよろしい。実際、いろんな意味で異なった研究所であった。

まず最初の飛行機はタラハッシーを7:20に出てアトランタへ向かう。なのでホテルを6:00に出発し、15分くらいで空港に到着。カウンターでチェックインしてもらった搭乗券？を見ながらセキュリティゲートへ行くのだが、どこにも自分の席番号が書かれていない。席番号は無いのだが代わりにSSSSと記されている。前向きなオレは、Sというのはスペシャルという意味とちゃうか？それが４個も並んでるから凄い特別な扱いを受けるんやろか？とひそかに期待していた（今思えばアホであった）。そしてゲートに着いた途端、たしかに特別扱いをされたのである。いきなり一人だけ別の通路に通されてボディチェックから始まり、カバンの中身を全部ぶちまけてゴム手袋をした兄ちゃんが調べてくれている。ああ、パンツや靴下まで触ってるで。もちろん怪しいものなどあるはずが無く、解放してくれはしたが、先ほどのSSSSには赤いサインペンで丸が付けられており、これやから調べたのだと言う。

これはいったいどういう事や？あのSSSSはチェックインの時には既にデータとして入っていた感じやったがなあ。入国してから不審な行動を取る時間なんて全然無かったし。たまたまか？そう思わんとすごく気分が滅入るしな。チャック・スウェンソンは申し訳ないと言ってくれるが、そして実質的には何の被害にも遭ってないのやが、へこんだ。

アトランタまでは１時間。ここで朝食を取り、しばらく待ってからアルバカーキ行きの便に乗り換えた。約３時間のフライトらしかったが、オレはずっと寝てしまい機内食を逃してしまう失態を犯した。おかげで、アルバカーキ到着時にはお腹がグーグー鳴ってたがここから先もまだ遠いので我慢であった。アルバカーキ空港ではほとんどの客はレンタカー屋が集まっている場所までのシャトルバスに乗る。ほんで車を借りて行きたいところに散っていく感じである。オレもチャックの借りた車に乗った。

アルバカーキからハイウェイを走るのだが10分もすると町の外に出る。風景は、基本が赤茶けた岩石色で、所々にブッシュがあり、また所々に緑がある。ここはニューメキシコである。荒野のガンマンみたいな風景が延々続いていると思ってもらっていい。この変わらぬ風景の中を走り続けるのはつらい作業である。走った達成感が無い。それでも約１時間ほどでサンタ・フェに近づいた。ここで方向を変えてロスアラモスへと上がっていくのだが、ここからが更に長い。それでもここから先の風景は素晴らしい、絶景である。高度もぐんぐん上がって2500mくらいまで行くらしい。サンタ・フェからさらに１時間くらいでロスアラモスに到着。まずはバッジオフィスに行って手続きをしてもらった。バッジを作ってリーダーに読ませてお前の体重を打ち込めという、しかもポンドで。ポンドって普通の日本人は分からんぞ。分からんというと、じゃあ何kgや？と訊かれたが咄嗟には答えられず、60kgと答えてしまった。それならこの数字を打ち込めと教えてもらえて無事終了したのだが、60kgはうそやったかもな。

バッジオフィスから出て車に戻ろうとすると向こうから見たことのある男前が「やあ！」とか言いながら近づいてくる。だいたい予想もしないような事があると頭が真っ白になるのだが、この時も一瞬、たしかに見覚えのある顔やなあと懐かしんでから「ああ、川島さんやん！」と記憶が蘇ったのである。まあ、こんな地の果てで物性研の先生とお会いするとは、世界が狭いのかあるいは他に行くところが無いのか分からんが、ごっつい偶然である。ごっつい偶然ではあるが、恋に発展することもなく別れの挨拶を交わし、今夜の宿に向かった。

今夜の宿はNorth Road Innというホテルで歩くと遠いが車だとすぐという距離にある。だからすぐに到着して女主人を捜したが見つからない。チャックが携帯に電話してみると出かけているから部屋には勝手に入って良いとの事であった。鍵はどうすんねん？と思ったのだが、ここは治安が良いため誰も鍵をかけないらしい。オレの部屋も普通に開いていた。そう言えばチャックは車のロックもかけない。なんか古き良きアメリカですな。後で迎えに来るからと言い残してチャックは行った。今晩はチャック邸に招待されているのである。それまでちょっと睡眠。

チャックの家は山手の最上部に位置し、この前は熊が出たらしい。大豪邸であるのはともかく絶景である。ベランダに出て肉を焼いてくれたのだが、そこからの風景が眼下にリオグランデ峡谷が広がりその向こうにはロッキー山脈の南端が壁を作っている。その間にサンタ・フェの町の灯りが付きだしている。自宅と言うよりも別荘に泊まりに来ている感じの家である。結局、分厚いステーキをご馳走になり、締めのアップルパイとコーヒーも抜群やった。この旅行の中ではもっとも充実したディナーとなった。奥さんや３人の子供達には迷惑であったと思うが、たいへん楽しい晩餐であった。ありがとう。

2008/03/19(水)

義理と人情の米国旅行その４

やはり夜は良く眠れないまま朝が来た。昨日と同じように朝食を食べてから研究所に移動。今日は講演も無いし気楽な一日。グルノーブルのヨスさんとかドレスデンのセルゲイと話をする。そんな中で一番おかしかったのがハーン・マイトナーから来ていた兄ちゃん。名前はTennantなのだが、読み方が分からないスコットランド人であった。この兄ちゃん、なぜかすごくオタクっぽくって空気が読めない。「新宿へ行った事があるが、すごく面白かった。イヒイヒイヒ（ほんまにこんな笑い方をする）」とか「日本でパチンコが良かった」とか。

そうこうするうちにシンポジウムは終わり、あとはホテルに帰って寝よう！と寝る気満々でバスを待っていたのだが、ハンスから今晩も泊まる人は晩飯を一緒に行こうとのお誘いが来た。今回は、義理と人情なので当然お誘いを受けた。何を食べに行くんやろ？と言ったら誰かが「絶対フィッシュ！エビ！エビ！エビ！」と連呼している。果たして連れて行かれた店は「BONE FISH RESTRANT」であった。そしてこれが超満員！日本で言うと日曜の夜のファミレスといった混み具合である。今日はたしか平日のはずと曜日を確かめたほどである。これがアメリカの消費意欲の表れか？と感心もしたし、早朝から働きだして夕方はきっちり帰るリズムで生活しているからこそであろうかと考えたりもした。それでも15分くらい待ったら席が空いたようで中に入れてもらえた。

中に入ってこのお店の人気の理由が分かった。店員が全員美人や。教育もようされとるし、感心した。メニューを見るとエビだらけでは無かったので安心。ハンスお薦めのSASHIMIをまずは注文したが、これは刺身では無く、たたきであった。しかもドレッシングがかかっている。その割には横にてんこ盛りのわさびとたっぷりの醤油が置かれていた。カルチャーショックやった。次に大西洋のサーモン（焼き魚）を注文したが、これはおいしくなかった。最後のデザートはキー・ライムケーキを頼んだ。これは甘い！でかい！もっと少量ならおいしいのに。この店でおいしかったのがワイン。カリフォルニア産であったと思うが３種類くらいのんでどれもおいしかった。また行ってもええかなと思える店やった。

食事も終わり、ハンスとはいよいよ最後のお別れである。ハンスはこの後フランスに帰るらしい。また近いうちに再会しそうな気がする。でもとりあえずは、aufwiedersehenやな。

2008/03/18(火)

義理と人情の米国旅行その３

結局寝られぬままだったので朝食が始まる時間に合わせて１階に降りると既に木吉さんが食べていた。先に食べてる人がいると勝手が良く分かって安心である。一応、バイキング形式なので一通り見てみたが、ちゃんとしたホテルのバイキングには遙か及ばないものの、ビジネスホテルで無料サービスで出している朝食よりは充実している感じであった。結局は、食パンとソーセージ（と書いてあったがハンバーグみたいなもの）がおいしかった。どこで食べてもパンがおいしかったのは意外やった。食べながらいろんな話が聞けたのは収穫。日本人同士やから何もフロリダでしゃべる事もないのだが、普段は会わへんしな。この前しゃべったのがソウルでの事やったからやっぱりこういう機会でしかしゃべらへんわけやな。
「木吉さんはハンス・シュナイダームンタウさんとは関係あるんですか？」
「いや、あんまり無いんですけど招待されたんでね。最近は芸者みたいなもんで、呼ばれたら行くみたいな感じです。金道さんは？」
「僕は直接一緒に仕事をやったわけでは無いんで、そう言う意味では関係無いんですけど、心情的には恩義を感じてるんで来たんです。1997年に80Tマグネットで成功した時に誰もそれに反応してくれなくて孤独を感じてた時に、フロリダから招待状が届いて講演をさしてくれて『グッジョブ』と言ってもらえたし、その後もいくつかの会議に招待や推薦をしてくれたり、阪大や柏にも来て議論してくれたりで、世界には同じ方向を目指してる人がいるんやと思わせてくれた事が恩義というか何というか。」

朝食後はホテルのバスで研究所まで連れてってもらえるのでロビーに7:45集合と言うてたのに、バスが来ない。30分くらい待ってようやく出発したが、ええんかそんなんで。シンポジウムのスタートは8:45であったが、結構グダグダで遅く始めて早く終わるみたいな感じで進んで行った。やはりハイブリッドや超伝導マグネット関連の話がメインでパルスは肩身が狭い。あっという間に自分の順番が回ってきた。まあそれでも準備していった材料以上のことはしゃべられへんし、一番見せたかった事は最後の一枚にこめていったのでそれを見せたら満足やと思いしゃべった。笑いを取ろうと思ったポイントも微妙にずれてたけど、まあええねん。言いたい事は言えた。

午後の残りは時差ボケとの戦いではあったが、なんとか乗り切った。夜のバンケットは大学の立派なホールで行われ、何を食べさしてもらえるんかと期待したがあまりたいしたものでは無かった。ここでハンスの奥さんであるアニーさんと再会。アニーさんとは韓国の太田で開かれたシンポジウムで初めて会った。その時はなぜか一緒に山に登ろうという話になり、雪の残る坂道を震えながらそして息を切らしながら上がっていったのである。その時に、自分はもともとフランスの寒い所（たぶんグルノーブルの事）に住んでいたのでこんな寒さはどうってこと無かったのに、フロリダに移り住んで慣らされてしまったため、今では寒く思うのが情けない、という話を聞いたのが印象的であった。また、アメリカ人は服装がだらしない、研究所にジーンズや短いズボンで来るし、こういった会議にもネクタイさえしてこないと言った事も強く記憶に残っていたため、今回はちゃんとしたズボンをはいてネクタイを締めて行ったのである。アニーさんもなぜかその時の印象が残っているらしく、何かで会う毎に韓国で一緒に山登りしたねと声をかけてくれるのである。

バンケットではあのシュリーファーがスピーチをしたのだが、これがギャグをかましまくりで、またそれが受けまくりだったのがくやしい。またそのギャグもよう分からんのもくやしかった。でも、最後にハンスがスピーチで、「金道が講演で『Thanks to Hans, I was not alone in the world』と言ってくれたのが心を打った」と言ってくれた。それでこそオレも来たかいがあったというもんやね。

Special Thanks to: ソザイヤＰＯＭＯ

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