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2006/10/19(木)
ピンチ!物性研

ピンチである。ヘリウムの液化機が調子悪い。10月になってからは外部購入で凌いでいたのだが、凌げる内はまだ良かった。来週以降は凌ぐ事さえ出来ないようだ。しばらくはアメリカから入ってこないらしい。

「ヘリウムの一滴は血の一滴」とはよく言った物で、まさに実験家にとっては死活問題である。今の物性研は、頭は生きている(理論は生きている)が体が死んでいるような状態である。まあコイル作りはヘリウム無しでもやれるんで、しばらくは肉体を鍛えるとしよう。しかし、共同利用をどうするかなあ。

そんなわけで、コイル作りは順調で、本日の川口さんの作品がこれ。ちょっと分かりにくいが、X−5の中間リングである。いっぱい空いている穴が液チ(液体窒素の事を専門家はこう呼ぶ)の通り道である。これ、裏返すととんでもない工作である事が分かるのだが、鳴海君の無茶な注文も川口さんにかかるとこの通り。川口さんのスペシャルな工作物も増えてきたので、ホームページの一画に展示スペースを設けようと思っている。問題はタイトルやな。「今日の川口商店」とか「物性研第二工作室」とか?


2006/10/18(水)
赤は止まれか?
昨日、原研からの帰りのフレッシュひたちが寒かったせいか体調がイマイチ。しかし、研究室に出てくるとビッシッとなった、というかさせられた。まずはX-5-2の一段目にガラスチューブを巻いて真空引き。真空が引けるまでにX-5-1の二段目を巻き、これを巻き終わる頃には真空が引けていたので、一段目のエポキシ含浸をして圧力容器へ入れ。含浸で残ったスタイキャストを使って二段目の固定をして固まるまで放置。さてこれで手が空いたと思ったら、「へっへっへっ、もう一本ありますぜ旦那。」と鳴海君。「とりあえず、もう二時やし昼飯にしよう。」

昼飯後は、なんとX-6-1の一段目のコイル巻きであった。鳴海君は、やる気や。このコイルも巻き終わり、固定している間に今度はX-5の二段目の上にガラスチューブを巻いて真空引き。これで少なくとも一時間は時間が出来たので、ちょっと自室に戻りメールの返事とかを書いた。時間になったのでC棟に舞い戻り二段目の圧力含浸をした。一日二回も圧力含浸をしたのは初めてや。しかしこのしんどさからすると一日二回はちょっと体に良うないわ。この後、さらにX-6-1の一段目にザイロン補強までやって終了。今日はこの辺にしといたろう。

今日はよく働いたので腹減ったなと部屋に戻ってふと見つけたのが「大福」の金券。これは行かねばと、てくてく歩き出した。「大福」までの間にあるしょぼい信号を渡る時いつも出る話題で、「関東人は信号を守り、関西人は信号を守らない。」というのがある。当然、オレは守らない。小さい子供の前ではさすがに気が引けるが、それでも「真の教育とは、渡って良い赤信号と渡ってはいけない青信号を教えることであって、赤は止まれ、青は進めを教える事を教育とは呼ばない。(誰かの受け売りだが)」という意味ではアホみたいに赤信号を待っているのはどうかなと思う。まあ大阪は外国的なところがあるから、そこで育ったら自然と身に付くんやとは思うが、異文化やね。


2006/10/17(火)
移設も半ばを過ぎて

朝、原研に着いたら正門で立岩君が声をかけてくれた。車と違うの?と訊くと、健康のため歩いてるとの事。駅の近くからだと40分かかるらしい。確かに、タクシーで1220円だからそれくらいやろな。

現場に行くとすでにトレーラーにフライホイールが積まれていた。ここまで間近に見ると馬鹿でかい。しかも斜めに積まないと道交法違反?になるらしい。さらに、昼間も走れず夜間、9時から6時の間だけ走って良しと言う事らしい。昼前にブルーシートにくるまれて行ってしまった。夜の9時まで行きつけのパーキングで休憩らしい。

昼過ぎからは3枚目のフライホイールの準備。ちょうど、中性子の実験で来ていた陰山さんと網代先生が見学に来られた。「君は大きいのが好きやから、ちょうどエエやん。」と言われたが、オレって大きいのが好きやったっけ?


2006/10/16(月)
今日はゴミ拾い
今日はゴミ拾いの日。今月の27、28日と柏キャンパスの一般公開なので、お客さんが来て恥ずかしくないように掃除しようという感じは一般家庭と同じやな。一般公開はホンマたくさんのお客さんがやってくる。少しでも良い印象を持って帰ってもらいたいのだが、何をすれば喜んでもらえるのか分からない。何か良いアイデアは無いかなと考えながら週末を過ごしていたら、自衛隊の一般公開みたいなポスターに目がとまった。ポスター展示、装備の公開、ここまでは同じ感じや。でもその後が違う、音楽隊、模擬店。うーん、やっぱり満足してもらうにはこの辺か。今から音楽隊を結成?


2006/10/13(金)
何がなんだか分からない
朝、科研費に関係した書類を三浦さんの所に届け、9時から研究室のミーティング。終了後、所長に電話して11時にアポを取り、「物性研だより」をちょっとやる。所長室でセッションした後、ちょっと書類の修正をしてからC棟に行き、X−5の一本が失敗している様子をチェックした。あかん一本やり直しや。サブメガでは急冷のショートコイルの磁場テストをやっていた。普通に使えそうである。工作室に排気装置が要りそうやねと言いながら部屋に戻り、所長室に電話をしたが所長は不在。茂木さんに返ってきはったら連絡くださいとお願いして、その間にワープロをやったり、図書の仕事をやったり、施設の電気工事のメールに対応したりしていたが2時になっても3時になっても4時になっても連絡無し。いかん昼飯食ってなかったのは失敗や。今日は陰山さんや上岡さんも来られて、何やら盆と正月が一緒に来たような日になってきた。所長とも無事、午後のセッションが終わり、事務に行って佐藤さんに週末の作業予定を聞き、また部屋に戻って残りの仕事を仕上げた。しかし、やってもやっても終わらず、晩飯のお誘いも泣く泣く断り、やりまくりでやっと終了。頭がくらくらする。


2006/10/12(木)
ぼちぼちな日々
昨日は原研で現場監督。いつも昼飯は原研内にあるヤマザキデイリーストアで何か買うのだが、昨日は「満腹食堂」に連れて行ってもらった。東海村で食べられる店は原研通り沿いにあるとの事。なるほどおいしかった。この日は夜のご飯もおいしかった。東京での食事で一番やったなあ。

作業の方はもうひとつの山場で、いよいよフライホイールを吊り上げようというところ。何せ30トンやからなあ、見てるだけで力が入る。

今日は柏でワープロやメールの返信を書いて過ごした。実験は上田研の植田君が来て70テスラ測定をやっていた。こうやって遠慮無く70テスラ測定をやってくれると体制が整っていってうれしい。

もうちょっとや。


2006/10/10(火)
X-5始動

あーあ、今年も終わりました。

まあ無いとは思いつつもこっちが全部勝って、向こうが全部負けたらまだ行けるかもしれんと思ってました。それも今日で終わりました。それにしても8月の終わり頃から今日まで、良かったわー。下手に首位に立ってどきどきするより楽しかったと思うな、多分。昔からのファンは分かると思うけど、勝ってる試合は怖くて見れんけど負けてる試合は安心して見てられるとか、連勝が続いたら怖くて見に行けないとかオレらは屈折してるからな。それでもこの一ヶ月くらいは本気で応援してたからなるべく中継は見ずに、結果が分かってからスポーツニュースで確かめるという生活やった。

量子力学に、観測が固有値に影響を与えるという問題があるけれど、阪神ファンは100万年前からそんな事は知ってるねん。オレらが見たら阪神は負けるねん。オレらが阪神の試合を観測したらその行為が勝負に影響を与える、というか負けさせてしまうねん。オレらが見いひんかったら、勝ち負けは正当な理由で決定されて、その結果を聞いてからやったらもう大丈夫てな具合で。

これから来年の開幕までがまた阪神ファンの素敵な季節やな。新しい戦力も加えて夢のオーダーを組んで、勝ち星を計算したら100勝くらい軽くしてしまう。シーズン中でも安心してスポーツ新聞を読めるのは試合の無い日だけっちゅうくらいやから、これからは毎日安心して読めるもんな。

さてそれに呼応するかのように今日から新型マグネットX-5を作り始めた。この写真が一段目。さらに川口さんがスペーサー作りに挑戦開始して、凄いのが出来つつある。大きな心配事がひとつ解消された。一歩前進やな。


2006/10/05(木)
ごっついコイル
あいにくの雨ですな。朝、秋葉原で電車に乗ったら目の前に傘の忘れ物。さっき座ってたお姉さんのやな、今なら追いかけて間に合うか?と手に取ろうとしたら本人が戻ってきた。ありがとうも言わずにオレから奪うように持って行ったけど、勘違いされたか?そんなん盗らへんやん。

今日は、大型巻線機の打ち合わせ。ごっつい太い線をごっつい芯棒に巻いていくのでごっつい大きさごっつい重量になるのでごっつい巻線機が必要になるからである。どんだけごっついかと言うと、完成したコイルは高さ1m、外径1mで重さが5トンくらいになるからである。こんなん絶対に手で持って付けたり外したりできひんし、5トンもの銅線の値段がこれまたごっつい。打ち合わせをすればするほど憂鬱になってくる。これが現実なんやなあ。

夕方から失敗コイルを抜いてみた。摂氏200度で臭くなるまでコイルを焼いてプレスで押したら嫌々抜けた。これは使える。

明日は阪大で谷口さんのコイル巻きに付き合うつもりやったが、飛行機の予約が取られへん。3連休の前日やからなあ。朝の便はあるけど、午前中は柏で新実験棟の打ち合わせがあるしなあ。キャンセル待ちか?


2006/10/03(火)
もう10月

ここんとこ忙しかった。その日、何をしたか書く気になれないほどやった。少し一段落したかなと思ってみるともう10月。オレが物性研に来てから2年が過ぎた事になる。オレは気い遣いやから、新しい環境に来ていつもやせる思いで過ごしてきた。ついつい自分のペースを乱しがちやったが、オレがオレであるためには守らないかんペースっちゅうもんがあるんで、3年目からは徐々にマイペースを守って行きたい。

この一週間といえば、大道くんと辺土くんがそれぞれ神戸と沖縄に転出していった。二人とも優秀なんで、行った先で活躍されるんやろうな。辺土くんがお別れを言いに来てくれて思い出したんやが、オレは彼のD論審査の副査やったんやな。そういう意味ではこの業界、意外と世間が狭いもんや。そんな中でも大道くんはこれからもオレと深く関わって行く世界に身を置くんやから、より一層頑張って、この先のこの業界を担って欲しいな。やから大道くんやなしに大道先生と呼ばせてもらいましょ。大道先生、後は任せた。

今日はまたまた原研に現場監督しに行ってきた。今日がクライマックスかも知れん。電機子(1/4個)を吊して出してる写真がこれやけどちょっと写りが悪い。結局、午後はずっと張り付いて見てしまった。しかしまあ30トン近くもある物体が人力で吊り上げられている様は、ピラミッド建設の時を思い出したわ。あの時も大変やったけど今日もしんどそうやった。

用事に追われる生活から少しは脱却出来そうなんで、コイルの事を考えているのだが、スランプや。この前ちょっとだけ「コイルの神さん」が降りてきはったんやけど、ちゃんと考えへんかったらそれ以来降りてきてくれへん。まあ無理に考えるのもアレなんでしばらく待たんとな。


2006/09/27(水)
秋になると腰は・・・
昨日も原研出張であった。現場監督と言ってもすることが無いからデスクワークを持って行く。普段はあまりパソコンを持ち歩かないのだが、しゃあなしにカバンに詰め込むとこれが結構重い。朝出かける時に持ち上げるとピリッと腰に痛みが走った。

そういえば夏の会議の時に大阪市大のMらた先生が、「手提げカバンは腰に良くない。だから僕はこれです。」とデイパック薦めてはった事を思い出した。たぶん涼しくなって腰が冷えてることも関係しているやろうけど要注意やなあ。やっぱりコンピューターを持ち歩くのは止めとこ。


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